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7 volta

​第7話

滞在記7話⑧.JPG

初めてのフィレンツェ①

ルッカ国際料理学院へ入学して1週間。初めての休日。

滞在中のホテル前からタクシーでルッカ市内まで行き、駅前から出ている

フィレンツェ行きの高速バスへと乗り込む事にした。

レセプション前(ホテルフロント)に集合。

8時15分のにタクシーを予約していた。

待ち合わせ直前。うわぉ~降りてきました!男子が2名です。笑

大柄なケンちゃんの後から、少々寝癖が付いた、寝ぼけ顔の青年が。初めまして♪

『時差ボケで、寝不足なんだろうなぁ~。よくぞ、フィレンツェ行きに参加してくれたね。

ありがとう』時差ボケ大丈夫かしら??

そう言えば私...時差ボケってあったっけ?

滞在して1週間になるが、寝不足?

そんな症状は全く無かった。と思う。夜もぐっすり眠れているし、朝もすっきり目覚めがいい。

イタリアの風土があっているのか?学生気分に戻ったようで、

本当に毎日を全開で過してるせいか?本当に、何も考える事なく眠れている。

唯一考える事は『明日のメニュー何かなぁ~』そんな事位だったと思う。笑 

学院での、調理実習後の食事は、本当に美味しかった。

トラちゃんと初対面。ほっそりとスリムな体形のトラちゃん。

ケンちゃんとは正反対だわ~(ごめんね、ケンちゃん)

『沢山ご飯食べれるかなぁ?』そんな余計な心配をしてしまった。笑

それぞれ簡単な自己紹介が始まった。既にテンションの高い4名(順子さん、ゆかちゃん、

私、ケンちゃん)。そして少々寝ぼけ顔で参加の新メンバートラちゃん。

5名でタクシー(ジャンボ)に乗り込み、ルッカ市内へと向かった。

滞在記7話①.JPG

ルッカ学院のメンバーと。フィレンツェ行きのバスの前にて。

ジャンボータクシーの運転手さん(名前は忘れてしまったが、身体もジャンボだった)

乗って直ぐ『今日は何時にルッカに帰ってくるのか?』イタリア語で尋ねられた。

『まだわからないけど、夕方位かな~』

運転手さんは、名刺を差し出し『ルッカについたら電話して。(スービト)直ぐに行くよ』

イタリア語で話かけられた。(ここはイタリア。イタリア語が飛び交う)

そう言って、私達をフィレンツェ行きのバスターミナルへ下ろしてくれた。

この一言で、私達のタクシー専属運転手が決まったのである。

数えたら...何回乗っただろうっか?それだけ不便な場所?だったのかなあ~。

決して安くないタクシー料金を、メンバーで割り勘をした。

学院からルッカ市内まで、20ユーロ(約3,000円ちょい)が片道。

メーターも何も無かった。

学生価格?あまり細かく考えなかったが、帰り道、誘拐される事もなく、

無事ホテルまで送り届けてくれた事には、感謝してる。笑

ここで少々説明が。なんと、イタリア語が堪能なのは、今の所は、誰もいない。

誰がタクシーに、電話するのか?

イタリア国内で使える携帯を持っているのは、私だけ。

(イタリア語の教室から拝借した携帯は、かろうじて紛失してない。これが本当に、旅のお助け道具となった。)

そんな理由から、私が運転手さんを呼ぶ係りに命名された。

大丈夫なのか?何とかなるだろう!イタリア語の会話集

(偉い!自分で場面を想定して手書きで書いてあるメモ帳があったではないか!

おぅ~これは、いいかも!心の中で発音の練習をする)

何せ電話でイタリア語のやり取り。

発音が悪いときっと聞き取れないはず。

慎重にやりとりしないとタクシーは来てくれないかも。頑張らなきゃ!

さあ~これから、フィレンツェに出発だぁ~。8時45分にバスが出発する。

バスの切符を買いに行かなきゃ。駆け足で切符売り場へと向かった。

学院では、通訳さん付き。イタリア語が、少々下手でも何とかなる。

今日は、イタリア語を思い切り使える!何だかワクワクする。

正直、イタリア語を早く使いたかった。笑。覚えた語学は、何処まで通じるのか?

好奇心もそうだけど、イタリアの風を感じたい!

イタリアーナ(イタリア人女性)になりたくて...。

言葉の壁の向こうには、素敵な国際交流が待っているはず。どんどん話そうイタリア語♪

切符売り場にて。

『フィレンツェ行きを往復1枚お願いします!』覚えたフレーズで語りかける。

窓口の女性が切符を渡してくれた。『やったぁ~買えたわ!』胸が高鳴った。

初歩的な会話だったが、スムーズに買えた喜び。嬉しかった。

今日は、仲間がいるけど、1が月後の2ヶ月間の生活はひとりでの滞在。

積極的に使わないとね~。ルッカ学院での生活後は、一人で2ヶ月間をイタリアで過す事になる。

一人でも、生活出来る習慣を身につけなきゃね!

3ヶ月間のイタリア生活に不安は無かったの?友人からよく質問された。

この時点では、全く不安は無かった。どうしてなのか?

『不安があったら、実行出来ない』

短期で3ヶ月間。イタリア行きを決めてからは、

『絶対無事に行程を終えて帰って来たい。自分の力で生活して見せるわ!』

心で誓った強い気持ちが、自然に自信に繋がったのであった。

今だから話せるが、楽しい生活を過ごせた背景には、日々の張り詰めた緊張感もあったと思う。

帰国後の1ヶ月間は、疲労と時差ボケでクタクタだった。笑

フィレンツェ行きの高速バスに乗り込む。

切符は車内にある自動刻印機に入れ席に座った。

日本と違うのは、切符は降りる時に回収しない。

その日の刻印を打刻し、それでおしま~い。えっ??これでいいの?切符の確認も無かった。笑

切符に刻印する事は、鉄道へ乗る場合も同じ。

駅員さんが見回りにくるらしいが見回りにこない場合もあった。笑。

これでいいのだ、イタリア。笑

滞在記7話②.JPG

バス車内の乗り口にある、打刻する機械。

ビリエット(キップ)を入れて打刻してから乗る。

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車窓からは、こんな風景が見られる。

葡萄畑やオリーブ畑。

高速バスの車窓から見える景色は、北海道の景色と似ていた。

緑が多くて葡萄畑、オリーブ畑が一面に広がり綺麗だった。

赤茶色のレンガ造りの家々。

イタリアの風景が、遠い北海道の風景と重なり、心が癒された。

バスの車内では、もっぱらお昼ご飯を何処で食べようか?

その話題で持ちきりだった。

さすが!食の仲間達。

岐阜から来たゆかちゃんが、前日から『地球の歩き方(旅行本)』でリサーチしてくれた店が、候補にあがる。

ゆかちゃんは、留学経験もあって凄く頼りになった。

下調べをしてきてくれて本当に本当に助かった。

プロ級の舌を持つゆかちゃん。

彼女が、選んでくれた店は美味しい場所ばかりだった。

お昼は、全員一致でゆかちゃんセレクトのトラットリア『Buca Marioブーカマリオ』に決定。

全員一致の理由は、フィレンツェの名物料理・

ビステッカ・フィオレンティーナ(フィレンツェ風ステーキ)が食べたい!

そんな理由で決まった。笑

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お昼に入ったお店。

ブーカマリオ(写真:開店前で扉は閉まっている) 

お昼からステーキなんて豪勢♪イタリアの国だから思い切り食べれる。

食の勉強なんですもの~。

みんなでシェアして(割り勘)思い切り食べなきゃ。

日本だったら、きっと躊躇しちゃうかも?ステーキなんて。

でも、食の勉強に来たメンバーは、何故か思いが同じだった。

食に関しての価格について、『高い~!やめよう。』なんて迷う事は、あまり無かったように思う。

期間限定だからか?もう来れないかも?よく食べた3ヶ月。体重もどんどん増えた。

フィレンツェ中央駅(サンタマリアノベッラ駅)に着いた。

私が想像していた、駅の印象とは違っていた。日本だと、大体なんとか駅(土地の名前)建物の概観に書いてある。まず、判り易い表示がない。

バスの車内でも、特に駅終点だというアナウンスがない。

他のお客さんが続々と降りた。きっとここが駅なんだろうねえ~。

私達も一緒に降りた。

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フィレンツェ中央駅(サンタマリアノベッラ駅の外観) 

お昼の前に、少し腹ごしらえをしよう!迷わず、Bar.バール(立ち飲み喫茶店)へ直行する。

お茶もそうだけど、お手洗い(トイレタイム)を済ませなきゃ。

イタリアには、公衆トイレ(無料の)は、そうそうない。

殆どが有料だと思った方が正しい。

高級レストラン等では、トイレの前に、スタッフがいてお金を払いトイレに入る場合もある。

バールは、お茶を頼んだついでに、トイレも貸してもらえて、便利な場所。

ちょっと喉が渇いて、一杯♪そして、一緒ににお手洗いも。

後に、ホームステイでフィレンツェで2週間過す事になった。

その頃には馴染みのバールも見つける事で出来た。

馴染みの店を作ると、一人でも案外楽しい。
お茶を飲みながら、小さい国際交流が出来る場所だった。

駅周辺のバールへ立ち寄り、蒸気でプシュプシュと温めあわ立てた牛乳入りのカプチーノを飲んで、身体と心を温めた。

ショーケースに、心惹かれる食べ物が...。

コーヒーのお供に、甘めのクロワッサン(イタリア人は甘党で、

パンにも甘いジャムやクリーム(相当甘い)が入っている)や

クッキーがあった。しかし、ぐっと我慢。

『お昼を美味しく食べなくっちゃ。』

本能より理性が勝利した瞬間だった。

花の都フィレンツェには、ルネッサンス時代の古い教会や彫刻、美術品が町のあちこちに見られる。

都会的というより、歴史ある町並みだった。

食のイタリア堪能の前に、歴史と文化見物へと足を伸ばす事にした。

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歴史的建造物には馬車もお似合い?

広場には、観光客用の馬車も走っている。 

まずは、観光ハイライト 教会のドゥオーモを目指そう。

駅前から、辺りを見渡すと、白とピンクや緑の大理石で造られた建物が見え始めた。
『あーーーあれがそうだ!圧巻!大理石なんて、ホテルのロビーでしか見たこと無いわ』

ガイドブックの写真と見比べて見た。本物が直ぐ目の前にある。

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歩く途中に、かすかに見える観光スポットの『ドォオーモ』 

露地から覗く美しい大理石模様。

滞在記7話⑧ (1).JPG

圧巻ドゥオーモ。

綺麗な青空と歴史的建造物。お気に入りのショットです。

テレビや写真でしか見たことのない観光地を、私は足で歩いているのだ。
凄い事だ。日本との時差は7時間。

キラキラと輝く太陽と青空の下で
私は、イタリア滞在を満喫している。

そろそろ、お腹が空いてきた。

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